位置移動

生活や仕事で他の地域に移動することがある。これを何かの指標の可能性について考えてみる。

エンゲル係数は一つの指標として定着していると思う。最近は高付加価値飲食もあるので数値自体は揺らいでいるかもしれない。

他の地域や移動の目的を考慮するときりがない。通勤も移動であり、旅行も移動だ。だが、通勤には限度があるだろうが出張には比較すれば限度はないようなものだ。必需の移動を病院や買い物とすると、やはり限界があるだろうが、旅行には際限がない。

とすると、移動距離が何か意味がありそうだ。

滞留時間はどうだろうか。出張や旅行も、その土地にいる必要を感じると長く滞留すると考えると意味がありそうだ。

とすると、遠くから長く滞留する人数という数量は、その土地の魅力度みたいな指標になるのではないだろうか。そこでしか治療出来ない病院とか、そこでしか演奏が聴けないミュージシャンとか、固有性もあるかもしれない。

このような指標は実在しているのだろうか。仮に存在するなら目的別の経済効果みたいな分析を期待したい。そして、恐らく交流の度合いが高いという意味で文化的精神的開放が発達していると予想する。

ありがちなのは、どこかの成功を真似して投資したのに失敗するといったものだ。これは同一市場への参入だから、供給を増やしているだけみたいなものだろう。投資するなら、異なる市場の開拓になると思う。

国際的な会議や競技は固有性があると考えられる。固有性があるということは市場の競合を避ける要因ということだろう。

提携する会社が多ければ、やはり出張は多いだろう。学校の活動が活発ならば、他校との交流は多いだろう。

交流が活発であれば、様々な考え方に接して自己の知見を広げる機会が多くなるのではないだろうか。その仮定が的確ならば、これからの世の中に必要な機会創出と言えるのではないだろうか。

情報通信の発達で、情報の交換自体の道具が増えたことはこれからの高度知識社会にとって大きな意味のあることだろう。しかし、片方では実際に接する機会を失う要因とも考えられる。この機会損失を改めて見つめることが必要だろう。

外国人が長期間滞留することを考えてみよう。色々な違いのある人間が長くその土地の人間と接するということになるだろう。つまり、多様化を期待する交流が活発になっているということだ。

エンゲル係数と対極の指標になるかもしれない。どちらかと言えば、それなりの地位の人間は出張や旅行が多いという仮定を考えている。勿論、カントのように土地を離れない人もいるから、単なる指標の意味でしかない。何かの因果関係を直ちに意味しているわけではないだろう。

しかし、直接接することを大切にする見方からすれば、この指標は何かの役に立つような気がする。