小売り

小売り業界は大変だ。しかし、先端分野でもあるから、取り組みは勉強になる。

売れ筋とか在庫とか、その筋で頑張っている人間にとって、目の前の成果と最先端の仕事を自覚するなら、目の前の仕事に追われている身の認識しかないので、どこか違う世界の話に感じるだろう。それが良いことなのか、良くないことなのか、それはわからない。

統計のグラフを想像してみよう。正規分布とか色々想像すると思うが、どれかだけが適切と断じることは出来ない。ただ、べき分布又は正規分布が代表的とみなされているから、べき分布正規分布で想像すれば良いだろう。

小売りの話に統計の分布を持ち出すなら、分布の高いところを狙うのか、逆に分布の面積を狙うのか、或いは、分布の裾を狙うのか、みたいな戦略を講じることになるだろう。

統計とか色々専門的に聞こえる言葉を使ってしまった。正確ではないが、売れ筋に絞った商品だけを店頭に置く店の戦略と、客層を判断して捌ける商品と最適な量を追求する戦略と、取りこぼし商品をあえて揃えた棚の戦略を比べる意味があるだろうか。恐らく、評価方向に従った評価が示されるだけだろう。つまり、そのどれもがある領域で最適な評価とすることを否定することは困難だ。

分布の高いところを狙ってみよう。それは、即ち売れ筋を主力商品として、商品選別が本分とみなす戦略なのだろう。

分布の面積の広さは、つまり総売上の大きさが戦略の方向性なのだろう。

分布の裾狙いは、良く言えば需要者を神格化したものだろう。

さて、何がどの立場でどのように良いのだろう。小売りの企業としての視点だろうか。小売りの顧客としての視点だろうか。視点の違いは、どこに競合することがあるのだろうか。

恐らく、広域の最適値を探索するなら、顧客視点だろう。ただし、小売り企業の一方的な負担は除外される。

顧客視点で小売りを見ると、小売りの立場を除外しての最適値は、最低価格と商品の店頭保証だろう。難しい。

単純な評価軸で示すことが出来ない、多様な局面を肯定するから、様々な努力を受容するのだろう。排他的交渉より、協力的交渉の方が結果としての成果を得られると思われる。

個別事情を直ちに判断することは困難だ。だが、直ちに共通項の探索を放棄することも愚行だろう。

例によって、酔っている。失礼な話だ。

単純に行こう。小売りは難しい。但し、最適値が固有状況で異なることを前提にして、最適値を方向性として求める単純化を忌避する。つまり、小売りの戦略は、そのどれもが正しいのだ。排他的ではないのだ。だから、自信を持って失敗することが奨励されるのだ。

小売りは薄利と言われている。否定出来ないが、状況変化の多様性を考慮すると、結果的な薄利と考えている。難しい。