拡大エンゲル係数

エンゲル係数をより拡大した係数を考えてみる。

必需品との定義には個人差があるので、便宜的に必需品の度合いを表す数値によって消費の必需品度合いみたいに扱って係数とみなす。

これは、どのような意味が想定されるだろうか。

恐らく、時代の変遷とともに品目の必需品の度合いが高まるものがあると予想する。例えば、通信費は大きく変わっているから必需品化していることがわかると思う。

ここで悩むのが必需品に対する考えだろう。仮に、使用者の割合とするとなんとなく必需品の意味に合致するような気がする。この度合いについては吟味していく必要があるだろう。

例えば、宗教の理由によって殆どの国民が毎日日記をつけるとしよう。ノートと鉛筆は必需品の度合いが高いと解釈出来るだろう。これが、ネットに書き込んで代用するようなことが起きていると考えている。

つまり、拡大必需品への消費量が必需品度合いを固定化して観測すると時代とともに減少していると想像している。これが時代とともに必需品度合いの変化によって実感していないと考えられるのだ。これは統計もない思いつきではあるが強い予想と考えている。

しかし、豊かを実感することを求めることは必定のようなものだから、既存以外の新たな需要が生まれなければ、この拡大エンゲル係数は低くならないだろう。その観測としての意味が大きいと思う。

そして、逆に言えば、既存の確かな需要は、新興国や途上国での需要市場への参入に意味があると言えるだろう。

仮に既存製品の将来戦略を考えるなら、国内需要を前提とするなら高付加価値戦略か低費用戦略だろうが、新規開拓市場が低費用戦略に合致するなら総合的な効果が期待出来るということになるだろう。

つまり、あくまでも既存需要という前提に立つなら、高付加価値戦略は難しいということになると思われる。

そして、国内及び先進国市場を前提にするなら、本命は新規需要だろう。そして、その新規需要は少数市場ということが想定される。

これらを例を挙げて説明してみよう。

日常生活で必要な出費を衣食住と交通通信としてみよう。豊かでない生活ならば、その出費だけとする。豊かになると、サッカーを見たり見に行ったり、ということが考えられる。このサッカーを見る通信費や交通費が豊かな出費みたいなものだろう。産業としては既存産業かもしれない。しかし、需要市場としては新規と言えるだろう。

茶道や華道に親しむことが花嫁修行なら必需品度合いが高いとも考えられる。しかし、純粋に娯楽目的とするなら必需品度合いは低いと言えるだろう。だから、難しい。

娯楽目的というと誤解されるが、自己の欲求を満たす行動という解釈なら、何らかの支援行動も欲求行動とみなせる。恐らく、欲求の最高段階のような行動こそ拡大エンゲル係数を低くするのだろう。その環境整備を着々と進めることが本来の先進国なのではないだろうか。