ベキ乗分布

行動決定における想定状況には頻度に応じてある程度足切りが行われるようだ。具体例でいえば、毎朝の出勤で雨の想定はしてもテロの想定はしない、というのがそれにあたる。しかし、行動の直面での想定状況と設計における想定状況では頻度についての考慮度合いは異なるだろう。排除する想定の影響の大きさ次第で極めて稀な頻度でも設計に反映すべきとされることがある。震災と原発事故はその典型だろう。ここでは何を対象とすべきかを議論しない。あくまでも知能の視点で考えるだけである。相手の知能を疑ったり、その逆の場合にこの視点が必要になりえる。つまり、想定状況の頻度のベキ乗分布の尾の部分での足切りの扱いには個人差があり、彼我に圧倒的な差が生じると疎通の障害になりやすい。朝三暮四障害だ。但し、考慮すべき他の要素の可能性の排除は危険である。つまり、足切りの長さだけで評価すべきではない。それらを踏まえて思うのは、疑問を感じる議論をよく見かけてしまうことだ。恐らく、結論ありきの議論だからだろう。