投資先の選考

大動脈と毛細血管の比較みたいに考える。十年前と十年後で、それほど事業に変化がないのか、変動が激しいのか、で大きく違う。例えば、鉄、自動車、洗濯機は、十年前と今と大きな差はないが、携帯電話機、ネットサービス、ゲームは、十年前と十年後では、かなり違うと予想できる。自動車の場合、既存のガソリンエンジンの手直し程度ではすまない可能性が高いから、この括りは注意が必要だ。商品やサービスの変動が少ないなら、比較的読みやすいし、情報収集も比較的容易だ。従って、投入資本で決まるようなものだから、研究開発費や外国進出に注意すれば比較的安定と考えられる。変動が激しい商品やサービスの場合、情報収集に長けている必要がありそうだ。オセロのように、一発大逆転する可能性があり、その点に魅力を感じることもあるかもしれない。手持ちの余裕の程度にも応じると思う。変化を考えると、大きな市場より小さな市場の束で結果的に大きくなることを狙っていること。つまり、最大公約数狙いで、顧客対象を広くするより、顧客を限定するがそれを束ねると結果的に合計の顧客が多いとなることを狙っている方が、失敗の経験も活かせて成長の可能性が高いと思う。個別の話になるが、高分子を扱う企業は業界が変わる可能性がある。つまり、大化けだ。例えば、製薬会社は、目的を限定しているから、もしかしたら見逃しているかもしれない。社長の発言も判断材料だ。何にどこに関心があるか、が重要だと考える。提携が順調な企業も好材料だ。仕事の進め方が開放的である可能性が高い。開放的という意味では、大株主と騒動を起こす企業は注意だ。恐らく、どこかおかしい。冷静に協議すればいいだけの話で、話し合いもせずこじらせるのは何かがおかしい。公器と考えることが本来的だろう。昔なら、個人の懐に入れず会社の為にすることが歓迎された行為も、今では非難される対象になり得る。もう一つ加えるなら、役員に一部の事業の代表が多いのも、どこかおかしい。それなら、子会社にすべきで、会社を一体として制御することに懸念がある。業績に注目しがちだが、会社を見る目を養うつもりで、色々な視点で関心を持ちたい。