政策の視野

FRB議長の発言の解説記事を読んだら、新興国にも目配りしているようだ。議事録の開示もあるから、議論にものぼったのかもしれない。近くG20があるから、米国の緩和策についても話題になると予想されているようだ。本来的には、中央銀行は自国通貨の為の政策であるべきで、他国からの横槍は排除するのが正統的だろう。でも、因果関係がほぼ明確で国際的な枠組みが未整備なら、政策の視野に入れるのは、良い見識だと思う。むしろ、他の先進国が見習う話で、IMFあたりの領分とも言える。もし、IMFの領分としたら、どんな対応が望ましいのだろうか。資金引き上げに伴う通貨安だから、準備金の補充になるのだろうか。とにかく、このような問題点は経験して初めてわかること、いや、理屈で理解している人はいるから、多くの人間に初めて周知することになると思う。この点を一般化してみよう。大多数の政治領域については、自国内で完結している。しかし、これだけ国際的になって、多くの場面で他国との協調や影響を考慮する必要になっている。前回のサミットでも、国際企業の税制が話題になったばかりだから、まんざら的外れとは言えない。企業の他国への進出やその逆、国際的な貿易や共通の問題、これら多くの国外との協力について、どれだけ関心が向かうだろう。恐らく、政治家と官僚の見識に左右されるが、国民の意識が土台になると思う。つまり、政治家は選挙で選ばれるから、その選挙で選ぶ側がどこに関心があるかに応じると考えられるからだ。そして、新聞やテレビといった媒体も重要な役割を持っている。媒体の情報に国民は影響され、そして国民の関心を予測して媒体は情報を提供する。互いに、影響する関係と考えられる。つまり、極端に強調すれば、賑やかなことに向かう媒体も冷静に重要そうなことに向かう媒体も、どちらも必要でしっかりその役割を果たして、国民は総体的に見識を高めれば、自ずと政治家の見識も高まると考える。見識だけでは理想だけになりがちで、現実に必要なのは見識だけではないかもしれない。しかし、見識が低い政治では歴史が証明していると思う。幕末の頃に必要だったのは、矜持を持った武士たちだったかもしれない。現在は、時間限定の多くの人間の矜持かもしれない。