情報産業

大きく分けて、ハードウェアとソフトウェア、それに通信とした場合、そのどれも進化が速い。ただし、通信とハードウェアについては、進化の他との影響について、比較的小さい。しかし、あまり限定せず進化の方向を考えると中核側と端末側の振り子関係と積層化で大雑把に捉えられる。中核側とは、ホストコンピューター、サーバー、クラウドみたいに括れる。端末側は、パソコンやスマフォ、その他ネットに接続可能な機械が括れる。振り子とは、中核の方が主力になって進化する場合と端末側が主力になって進化する場合が、交互になっているようなことを指す。ただ、現在のようにクラウドとしてネットの先をあまり意識しないと進化が端末側でしか感じないかもしれない。ネットサービスを使って感じるのは、応答の速さで、それを実現するためのハードウェアを考えるとどれだけのメモリを積んでいるか、想像するのが恐ろしい。積層化とは、使用する機能が共通化されて基盤化し、さらにその上で機能の共通化みたいな層の上に層を重ねていく繰り返しのことを指す。つまり、迂回生産が行われている。迂回生産とは、直接の生産を効率良くさせる間接的な生産だ。中核と端末の振り子については、どちらか一方が重要ということではなく、両方を視野にする必要を感じる。重要なのは、積層化だろう。ある顧客のための仕事が、他に活かされないなら、積層化は絶望的だ。ある顧客の仕事が、他でも活かされるような発想で構築するなら、積層化は可能だろう。その発想が評価される環境か否かで、進化のうごめきが誕生する。営業は、顧客の仕事を優先する。だから、ネットサービスが強くなる理由がここにある。途切れずに進化する運命にあるから、スパゲティ化されたシステムでは難しい。つまり、どういうことか。積層化を初めから狙うことを勧めている訳ではない。しかし、結果的に積層化されることは勧めたい。早ければ、数年後に結果が出るだろう。ハードウェアや通信の技術の進化も凄まじい。しかし、その進化の影響が波及する感触が掴めない。速くなったり、大きくなったり小さくなって、何が変わるのか、がよくわからない。確かに、使用状況が広がることは理解する。社会的な意味で広がることも理解する。しかし、劇的な変化を予感させる程とは思えない。つまり、深く掘り下げる進化で他と密接に絡んでくるような仕組みの構築でなければ、影響の波及という感触が掴めない。例えば、ゲーム機もネット経由でなければ、何かが積み上がる気がしない。そうした、なるほど工夫だ、というニュースを期待する。