エジプトの件

エジプトの騒ぎがおさまらない。騒ぎを起こす方に親和性のある国の協力、というよりガス抜きに期待したい。

この件は難しい。他国の人間がとやかく口を無責任にはさむ代物ではないだろう。しかし、無関心でもいられない。静かに推移を見守ることが基本だろう。

どのような思いかは、想像できる。全く的外れでもないと思う。騒ぎを抑える側は、どの国も共通する部分がある。要するに、治安の維持だ。騒ぎを起こす側は、民主的手続きをないがしろにされた思いが強いと思う。そこに、政治の反省の余地はない。

人間というよりも動物は、攻撃を受けたら防御と攻撃の明確な線引きを引くこともなく、反撃する本能のようなものがあるようだ。窮鼠の状態にしてしまうことは、猫を噛む反撃の機会を用意するようなものだろう。逃げ口の用意を確認してから、という過程が必要なのだと思う。

今回、そのような余裕もなく、暫定政権が成立しているように思う。恐らく、自分たちの立場を象徴する前大統領を政治的に余地を残しておくことで、大きな材料になると思う。

なんにしろ、暴力を避ける方策が欲しい。不運なのは、隣国からの武器の流入だ。このことは、外国の介入の余地はあるだろう。直接的効果より、拡大の抑止効果だ。

最低限、スエズ運河は、とは情けないが、正直そこだけでも確保しておきたい。

暫定政権後の本格政権では、もっと難しい事態になるかもしれない。それこそ、逃げ口の用意から始める余裕がなければ、難しさは高くなるだろう。

日本にいるエジプト人も難しいだろう。同様の主張の人たちが、エジプト大使館の前で主張していたようだ。主張が異なるエジプト人もいるだろう。難しい。