軟着陸

中国首相の発言で、金融の問題を軟着陸させるような自信を示していた。

本当に確信ある発言なのだろうか。首相として、不安を招く発言ができないだけだろうか。どのように解釈すればいいだろう。

仮に、確信がなく立場上としての発言ならば、ある意味では安心だ。やらなければいけない問題が明確になって、対処に苦しんでいるならば、という意味で。

しかし、確信あるとすれば、多分、問題が顕在化した時には、出遅れになっていると思う。

今朝の新聞で、経済成長率と利子率の関係で、バブルが生じるという話を聞いた。これはこれで納得できる。

バブルという認識と、景気の実感と、両方とも政策担当側の人間には、鈍感だったという感触しか持てない。外れているかもしれないが、外れてまともな政策になれば、それはそれで喜ばしいことだろう。

金融は、実体経済に比べて動きが速い。それが一番大きな理由で、不良債権については危惧している。よほど感度の良い人間でなければ、対応の必要性を適切に実感しないと思う。

とはいえ、仮に問題が発生したとして、どの程度か、という大きさの問題がある。これは、わからない。

例えば、同時期に農業の大不作と複合的に問題が生じたら、制御の可能性の問題になると思う。それこそ、日本人全員の引き上げは最低限実施して、自衛隊の待機まで考慮せねばならない事態の可能性は否定できない。

逆に、確かに問題が発生したとしても、特段の対応もせずに乗り切れるかもしれない。破綻銀行もなく。これは、正直実感持てない。

日本が影響を受けないという想像もできない。時期も不確定。大きさも不確実。でも、蓋然性は高そう。そんなことは、頭の隅に置くだけと考えるのだろうか。少なくとも、予備費的な緩衝資源は必要だと思う。

緩衝資源という見方は、新鮮だ。何かにつながりそうな気がする。

一度戻ろう。中国の首相は、確か経済学博士だと記憶する。どこかの首相のように、自分の得意領域と考えているならば、問題発生に突き進むだろう。

このように考えると、歴史は繰り返すとよく言われるが、その通りだと思う。それだけ難しいのか、自分だけは、と思うのか、なんなのだろう。