社会保険の会社負担

社会保険の会社負担は、大体半分だ。全額会社負担のところもある。だが、処理の違いはあるが、会社から社会保険までの経路の違いだけであることに気づくと思う。

なんとなく、朝三暮四のような感じがする。社員からすれば、会社が負担してくれると思うかもしれないが、支払う方は社員経由か保険として出て行くかの違いでしかない。これを不思議に思わないのも、不思議に思う。

会社負担の要不要で問題になるなら、全額会社負担か、個人負担にすることに何か問題があるのだろうか。変な区別を無くす意味でも、どちらか一方にするべきだろう。

うろ覚えで申し訳ないが、確か所得税でも法人税でも、いわゆる中立に相当すると思う。

法人税も、実は似ている。利益の処分先は、税金か自己資金か配当で、その前に従業員への配分がある。

法人税は、黒字企業が支払うから、法人税の減税は黒字企業に恩恵がある。つまり、黒字誘因が働く。

黒字企業とは、要するに、支払うより受け取りが多い企業だから、継続の可能性が赤字企業より高い企業と言える。

効率の概念は、社会全体の生産資本と生産の割合が一つ。もう一つは、投下資本と生産だろう。要するに、企業会計的には、資産効率と自己資本効率に人件費の合算みたいなものだ。そのどちらかの効率が良い企業が沢山あることが望ましいとも言える。

勿論、評価指標はこれだけではない。単に、評価指標の一つでしかない。しかし、評価指標の一つを疑うことも出来ない。

その観点で、黒字企業が増える効果が望ましいとは、その限りでは言える。

法人税、所得税、消費税、資産税の順で経済成長の減税効果があるらしい。減税するなら、法人税というのは、結局社会保険のように、法人税の他の代替負担みたいな性格を表しているからだろう。

この際、国際競争の話は抜きにする。焦点がぼけるからだ。

応能負担と応益負担みたいな税の本来的な話も、この際除外する。本来的な話は、不相応だと確信する。

税の支払い元に、そもそも配分の主体がある前提が法人税の考えだが、人件費と配当の二重課税の性格をどのように整合性をもって捉えるか、の話になってしまう。

単純でなければいけない訳ではないが、素朴に納得出来る考え方は望ましい。物事が関係が少なくて単純だとする捉え方と、物事の考え方が素朴だとすることの違いだ。

複雑な状況を敢えて単純化するよりも、複雑な状況を前提に素朴に状況を捉えるということで、くどいくらい同じことを述べてしまった。

一度戻ろう。

法人税の減税の意味も、社会保障の問題も、実は負担感を軽減して目隠し効果を狙っているのではないかと、純真な人間が邪推してしまうのが社会保険の会社負担ではないだろうか。

この会社負担への言及は、法人税の類似で言及された話は聞いたことがある。法人税が主人公みたいな話に聞こえる。だから、法人税の話になってしまった。

一旦懐に入る実態があるならば、まだ不自然さは軽減出来る。しかし、その実態もなく数字だけが経由することを不思議に思うことは、素直な疑問だと思う。別に何かを破壊する意図はない。