バブル回避

少し前の日経に利子率と成長率との関係で、利子率が低いとバブルになるような話が載っていた。

ずっと考えたけれども、まとまらないので、少し整理しようと思う。いつものように、実現性や健全性は一旦除外する。

勿論、その話が正しいという前提に立つ。成長率が下がることは、除外する。CPIも無視する。

利子率を高くするには、長短無視して貯蓄より投資が上回ると考える。

貯蓄が少なくなる方法は、割合として消費が増えること。もう一つ、債権が戻らないこと。

投資が増える方法は、そのまま投資が増えるというそれ自体の同義と、サムライ債発行が増えること。

消費が増えるには、所得が増えるか、将来負担率が減ること。

債権が戻らないのは、間接金融は不健全だが、直接金融の場合は健全な運営の下なら、真っ当と考えられる。ただし、戻らないことを増やすことが真っ当ではなくて、株式で自己資本なら元々真っ当。社債のような透明性のある直接金融は、真っ当だと思う。社債の不履行条件の自己資本化を予め約束することも、真っ当だと思う。現在の法整備は、わからない。

サムライ債は、どうだろう。利子率の競争市場としての意味では、歓迎だが、増える方法が良くわからない。つまり、発行市場としての魅力だが、それが良くわからない。円が欲しいのか、他国に比較して調達のしやすさがあるのか、多分両方だろうが、円の需要と市場としての調達のしやすさを考えれば良い。

円の需要は、要するに支払い予定があることが想定される。つまり、国内直接投資か、円での取引ということになる。ということは、国内での起業に魅力があれば良いし、たとえ国外との取引であっても円貨取引が増えれば良い。

国内での起業は、先の投資に通じる。円貨取引の魅力とは、なんだろう。単純に考えれば、円での貿易、しかも輸出ということになる。つまり、外需が増えるということになる。

所得が増えることは、今回の比較の意味で除外する。問題は、将来負担率だろう。やはり、社会保障の問題に戻ってしまった。これは、誘導だろうか。

バブルの回避は、金融緩和策の出口戦略と密接に関係する。先の利子率と成長率の関係が正しいならば、社会保障の問題を真剣に考えなければならないと、導き出されるが、誘導だろうか。

先日のNHKスペシャルでマネーの話があって、特段珍しいとは思わなかったが、FRB議長の顔が見られたのは良かった。やはり、視野が広い。恐らく、インドの利上げ待ちがあったと感じた。後は、住宅関連の公団のようなものが、民間化されたら、条件は揃うと思う。

インドの総裁も、なんで火中の栗を拾うような真似をするのか理解出来なかったが、やはり国を愛しているのだろう。なんというか、意気に感じる。インド政府が総裁と密接した疎通が出来ることを願うばかりだ。金融政策の可能な範囲は狭い。にもかかわらず、影響が大きい。しかも、国の苦境で泥をかぶることがほぼ確実なのに、就任したことは誰がどれだけ理解するだろうか。恐らく、FRB議長は確実に理解していると思う。応援したい気持ちはあるが、何も出来ない。

一度戻ろう。

バブルの原因のような先の話は、実は納得している。多分、最近出来た説だと思う。この時期に広まることは、大変幸運なことだ。説が定着し、広まると色々と恩恵があるのではないだろうか。

緩和策も出口戦略が難しい。成長率が一つ大きな指標になると想定されるが、良い金利高も視野に入ると、不都合が少しは軽減出来る。中銀は、政府に対して理屈を説明する義務がある。日本の場合は、特に社会保障については、冷静に理屈を説明する必要があるだろう。

人間は不思議なものだ。他国の事情は、冷静に観察出来るのに、自国の場合は、冷静に観察しているとは到底思えない。他国の人間に意気を感じても、自国の人間に意気を感じにくいのは、どこか苛立つ気持ちがぬぐえないからだろうか。

社会保障については、目下の問題の米国の事情とは異なっていても、領域としては共通する。国際的な情報交換の場があってもよさそうだ。どうしても、政府対国民という構図になるから、冷静に理解が進まない事情も共通する。国際的な場があれば、少しはその構図が崩れるのではないだろうか。情報交換の効果より、構図という認識の効果の方が大きいかもしれない。