中国の改革派

今朝の新聞の元駐中国大使の解説に全面的に同意する。恐らく、中国国内の勢力分析にそれ程間違いはないと思う。現在の改革派の破綻は悲劇をもたらすことも、それに対する日本の協力も、同じ考えだ。

中国の基本的な考え方は、シンガポールにならったものと考えている。政治は独占的だが、経済は自由化するということで、鄧小平もそれに影響されて堅く信じていたと思う。だから、政治については不可侵を望んでいて、経済は協調したいということが基本的な考え方だろう。

しかし、自分の近辺の視野で考えがちな者たち、というより権限の制約内で頑張ってしまう人たちにとっては、動き方が異なり、トップ層への支持は利益に誘導されやすいと思う。だから、政治は基盤が弱い。批判されない立場に安住する脳天気な者たちの意見も無視出来ないのだろう。

だから、明確な統治の姿を描くことは困難で、大きな問題を起こさない程度の改革を進めるしか方法がないと思う。つまり、政治としては干渉せずされず、しかし経済では協調して欲しいということが本音で、その通りに協調すればよいということだろう。

解説にあったような日本が得意な分野での経済協調は、結果的に日本を強くするという考え方も、その通りだと思う。それはそれで、純粋な経済行為として考えればよいが、改革派への協調という文脈としては金融だと考える。

中国の企業を外資、民間、中央政府資本、地方政府資本に分けたとしよう。地方政府資本の企業が問題だと考えている。特に、省よりも小さな単位の地方の資本による企業が問題と思う。

これらを全うな会計にしたら、問題が顕在化すると想定するので、その実態把握をすることが先決で、処理に悩むことになると予想する。

つまり、日本の高度経済成長、公害、バブル、金融破綻、企業再生といったものが同時並行的に起きつつあるようなものと考えている。そんな処理能力もないのに、国内勢力を抑制することでいっぱいいっぱいなのが実態だろう。しかも、実態を正確に認識しているかも怪しい。

これに対して本来的に求められる協力は、国内勢力の脳天気に触れない範囲で、真摯に実態把握とその処理に実情に即した相談にのることではないだろうか。経験を移転する枠組みみたいなものかもしれない。

ただ、その協力者が誰でどのような関わり方が望ましいかはわからない。色々な視点があるから、難しい。

別の見方は、将来起きることとして、予防的に取り組むことだろうか。つまり、積極的な協力はせず、日本への悪影響という面だけに絞る考え方になる。これはこれで成り立つかもしれない。わからない。

予想するのは、改革派の失敗は世界的な悪影響だと考えているので、どちらかと言えば国際的な枠組みでの協力が正攻法ではあるだろう。ただし、実現性には疑問がある。

予想通りにならないことを願うばかりだ。これが、遠くて小さな国なら関心も持ちにくいが、近くて大きな国で複雑な関係だから無関心にはなりにくい。

もう一つの希望は、結構真面目な部分では感心するくらい真面目なのが中国だから、その真面目な部分になっていることだ。ただし、かなり広範囲で同時に、という限定になるから厳しい。