健全な不履行

今の全人代の記事を読んでいると、前常務委員も腐敗対象になるような感じだ。腐敗対策を威厳目的とする観測があるが、改革目的だと思う。思いたい、かもしれない。

生産性の高い経済の為に、生産性の低い国営企業の活性化という方向性があると考えている。その意味では健全なのではないだろうか。一部民間化も計画されているようだから、大まかな筋立ては決まっているのだろう。

デフォルト容認発言も紹介された。無理に回避すると、際限のない泥沼になるのはほぼ確実だから、金融の健全化の為にはリスクに応じた市場に委ねることが肝心だと思う。それはそれで歓迎したい。勿論、不良債権が解消する訳ではない。

このように書いてみて、あまりに健全な見方をしているように見える。勿論、単に観測しただけだから、違っている可能性は否定出来ない。ただ、現在の制御能力で可能なことを実行していると思えるのは、もしかしたら日本の政治へのあてつけかもしれない。

警戒を怠ることなく、しかし協調性も忘れることなく、長期の交際をすることだろう。輸出で成り立つ国の不景気は、まわり回って日本に返ってくることを考えると、協調は大切だ。

それより、これから本格的に債務不履行となる事態に対して、どれだけの準備をしているのか、かなり疑問だ。というより、中央政府の蓄えを吐き出すことしか策がないとしか思えない。蓄えの中には、外貨準備も含まれるとすれば、影響が中国国内にとどまらない。それが不安だ。

表向きには、資本取引は限定されているが、貿易を装った取引も実態としてあるようだから、その経路での国際金融の影響は考えられる。

自業自得とも言えるが、金融は波及的影響ということで市場を通して累が及ぶ。つまり、健全な参加者と不健全な参加者の区別はないのだ。それが恐ろしい。

表向きだけの話なら、経済実体の経路に限られるはずだ。それでも影響は大きいのだが、その経路に限定されないと容易に予想出来るから、色々と不安になる。

伸びきったゴムは弱い。そのように伸びきった状態での刺激を想像することは不安以上の気持ちになる。ちょっと心強いのは、最大黒字国が堅いことだろう。

そう言えば、経常も赤字が続いているようだ。いわゆる双子の赤字という状態だ。

不安になると次々と不安材料が浮かんでくる。それは、biasなのだろうか。わからない。