給与体系

ベースアップについて、政治が関与しているようだ。これに批判する発言が多い。批判したいが理由は別にある。ただ、非正規含めて所得増の結果は歓迎したい。

ベースアップの前提は、給与体系について号級表のような存在だろう。そして、号級の前提は年功制だろう。年功制を前提にすることを批判したい。

給与体系を考えると二つの点で近い将来に年功を維持することは困難と考えている。一つは雇用市場の国際化で、流動化が進むと思う。もう一つは知識蓄積の社会性の進展だ。年功の前提は会社内の知識蓄積になるだろうが、知識と教育を社内に囲い込むことは開放的生産の理解が進むことで困難になると考える。

つまり、同じ成果を求める仕事なら、高給に応募する市場性は成り立つだろうし、必要となる知識や経験の変化も大いにありえるだろう。とするなら、評価も的確になることと高度な知識を得たいという欲求もあるだろう。給与体系を固定化する利点より処遇の工夫に力点が向かうと思うのだ。

処遇への工夫がないから、国際競争で負けることになるだろう。処遇と教育は経営の課題なのだ。

また、所得増と消費増だけをみるなら、消費効果の高い非正規への対応が望ましい。この点で連合は非正規労働者を自分たちの一員と認めるべきだろう。

日経の論調に賛成だが、将来の経営環境の為の政策こそ必要とされていると思う。国内直接投資こそ本命なのではないだろうか。そして、その効果は短期的ではないだろうから、理解を得る為の説明は必要だと思う。

なんとなく、福沢諭吉の問題意識は今でも変わらないような気がしてしょうがない。違うのだろうか。