サービス産業の生産性

ちょっと前の日経経済教室にサービス産業の生産性についての解説が載っていた。その中で金額換算されない部分を含めると生産性もそれほど低くないようなことらしい。

読んで似たような話に思えるのは、予防医療だ。確かに、予防行為それ自体は金額換算されないだろう。しかし、予防効果を精緻に評価すれば可能かもしれない。

評価とは大切なことだと思う。特に数値換算すれば、より影響が大きいだろう。最初からの精緻な評価は難しいから、色んな試みが行われるとよい。

予防医療も、統計的に発症が少ないと有意な数値が把握出来れば、実際の医療費相当分削減と同等とみなせるだろう。誘因政策の制度化も検討の元ネタになると思う。

製造業は、サービス産業に含まれない。当たり前だ。ところが、製造業とされる会社内にもサービス産業と同じような仕事をしている部署がある。だから、業種という括りを厳格には感じていない。

つまり、サービス産業以外でも金額換算されないことがあり、評価の確立が待たれると考えられる。狭い範囲で数多くあると思う。原則的な評価と補完的な評価の分担のようなものを予想する。

その逆のようなものも、実は大事なのではないだろうか。つまり、負の面の評価だ。負の部分が少なくなることで、不安の解消とか数値換算されれば、何らかの行動の動機になりやすいだろう。

人間は非常と痛いと別の痛みで和らげることが出来る。同時に届く痛みの量に制約があることが理由と認識しているが、社会も似ていると思う。社会的問題も、同時に起こると問題意識も低くなりやすい。しかし、数値で評価されると取り扱いも違ってくるだろう。その点が意味のあることに思える。

誰か声の大きい人の影響で左右される社会より、ある程度客観的な数値に基づいて判断する人間が多い方が、なんとなく確からしいような気がする。