市場との対話
FRB議長の発言で市場が動揺したとされる。円安と株高という組み合わせが市場の反応のほとんどなのに、円安と株安だ。
ウクライナや中国も気になるが、発言に注目する。
クリミアはロシアからみると国内という意識があるのだろう。しかも、親露を前提とした対ウクライナ認識が覆るとは想定していなかったのではないだろうか。露大統領というより露国民の意識の問題だから、解決は困難だ。制裁を表明する形式は必要としても、遠巻きの立場で十分と思う。
中国の元安は、注視すべきだ。外貨準備が十分でも、想定しておくことは沢山あると思う。
議長発言の影響を考えたい。新聞報道だけで発言を判断するなら、市場の反応の方が異常に思える。この感覚の違いを考えることになるのだろう。
証券購入つまり量的緩和が秋には終わるというのは、発言以前の共通認識だと思う。量的緩和が終わると同時に金利を上げることをまず否定的にしている発言であることを認めるならば、早急な引き締めがないと認識することが普通の感覚と思うのはおかしいのだろうか。
半年間以上金融政策を固定することもおかしいと思うこともおかしいのだろうか。
恐らく、発言を鷹派懸念の観点、つまり鳩派の立場からみると危機感につながり、鷹派の立場なら悠長に感じるという、名前を忘れたが行動経済学でいうところの、損を回避する行動がとりやすかった、ということだろう。その逆の立場は行動保留になるから、片側からの偏りという結果と説明出来る。
そして、市場反応だけを根拠に議長発言を批判するのは、おかしいと思う。会合直後の議長としての初の発言という点が強調されて、市場との対話能力の資質まで疑問視するのは、やはりどこかおかしい。
本当のところはわからないが、市場反応を過敏に感じる人間なら原因というよりきっかけに対して批判的になるという説明は、非常に説得力がある。
だから、市場反応を批判することと議長発言を批判することはちょっと違う。市場反応だけを根拠に議長批判をする偉い人に対して、批判したい。多分、米国内の偉い人に居ると思う。
では、どのような発言ならば望ましかったのか、という点で発言例をあげるならば、歓迎したい。むしろ、このような批判だけに終わらないことに進むことで、対話能力が高まるのではないだろうか。
前置きとして、危険回避行動という偏りを認識すべきで、中銀が関与出来ない国外からの影響のある現代では将来の確たる見通しを述べることは難しいということだろう。だから、国外の影響を除外してとか想定を限定して成り立つことしか言えないと思う。なかなか難しい。