重税感

欧州の緩和策は、量的緩和の延期と考える人が多いようだ。購入対象の選定で難しいことになっていることは想像出来る。ただ、マイナス金利は中銀への量の削減策という見方もあるから、次の手段がさらに難しくなったと思う。金融政策は機動力に意味がある。その機動力を削ぐ環境こそ難しくしているのではないだろうか。

欧州は理解するにはなかなか複雑だ。

さて、消費税増税直後の状況が整理されてきてるようだ。少し考えたい。

値上がりを実感するのは、どんな場合だろうか。やはり、増税前を覚えていて、その比較が出来ることだろう、と考えていた。それはそれで、恐らく当たっていると思う。しかし、それだけではないことに気づいた。

総額表示が法的に規制されていた時は、会計時に概算で合計していた金額通りになっていた。しかし、外税表示の場合、本体価格からの概算との乖離具合に重税を感じるという状況があることに気がついた。

これは、よいことともよくないこととも、どちらにも捉えられる。ただ、小売りの立場では、総額の方がよさそうに思えた。

給与とか配当や損益からの源泉徴収を当然としていると、税金の負担感がなくなる効果があるようだ。ガソリンなどは、レシートに税金の明細もつけないとさらに消費税を負担していることが実感しないのではないだろうか。実感しない方がよいのだろうか。

消費が増えることは望ましいことだ。しかし、増えるためには所得が増えることも必要だが、税金以外も含めた負担の減少も必要だろう。短期的効果には無理がある。

消費税増税後でも大きな落ち込みではないと考えるか、それなりに落ち込みを認めると考えるかは、大した差ではないように思える。ただし、取引先に負担を強いることについては、公正であるべきだろう。

自動車の落ち込みが大きいようだ。長期的には、国内市場の減少と輸出競争力の弱体化を予想するので、供給側としては構造的対策が必要なのだろう。力ずくで盛り返すことの反動こそ恐ろしい。

ということで、今回の消費税増税は無事に乗り切った感覚がある。誤差の範囲と考えるか、個別状況としては人生を狂わしたことと考えるか、多分どちらもありうると思う。どちらかだけが正しいと断じることは出来ないだろう。

次の増税で、二重税率の話があるが、事務経費削減と政治の裁量余地回避の観点でマイナス所得税の方がよいと思う。決定過程に無駄使いするほど達者な状況なのだろうか。感覚のずれほど恐ろしいものはない。