検査結果

欧州のストレステスト結果で、二十以上が問題とされたようだ。かなり踏み込んだ調整が行われたようだから、結果は信用出来ると思う。資本を増強したり、それなりの対応を済ませている銀行が多いことも安心材料だろう。

なかなか難しいのは、欧州として一様に同じではなく状況がまちまちだということだと思う。だから、本来構造改革をする必要がある国も、金融政策で緩和が進むと改革が遅れてしまうことが考えられるのだ。この観点だけでなく、欧州全体としてみるとデフレの様相が濃くなるという市場の声も確かにあると思う。難しい。

今朝の新聞のインタビューにある通り、世界的にみると日米はそれなりに貢献していて、欧州が足を引っ張っている印象は拭えない。ウクライナの影響もあるだろうが、どのように考えればよいのだろうか。

少し前に日銀副総裁経験者が、金融の目詰まりを問題視していた。そこは同感だが、原因は別の方が強いと考えている。欧州でのマイナス金利でも、融資量が増えないのと同じような要因だと考えている。多分、同意する人はいないと思う。

それは、産業そのものの資金需要にこそ原因があるということで、既存市場においては必要とする生産資源が少なくなることと新たな市場では見通しがききにくくなったことと、国際的に供給側としての市場参入者が需要側に比較して多くなっていることにあると考えている。

生産資本材の省資源化は、情報技術の理由が大きいかもしれないが、生産技術の移転が広く進んだことが大きいと思う。つまり、先進的な生産というより少し遅れた生産技術での生産で需要を満たしてしまうようなことが怒涛の勢いで進行しているのだということだろう。

参入障壁の低い市場と高い市場で比較するとわかりやすい。だから、現在参入障壁の高い市場で安穏としていると、いつの間にか同じように競争の激しい市場になっていると考えられるのだ。

新たな市場は難しい。確実な需要を予測することが難しいから、試行錯誤の過程が必要になり、その後果実を得ようとすると成功を見込んだ参入者が現れることになるだろう。

このような競争の認識で考えると、巨大システムのように参入障壁が高い市場で、さらに参入障壁を高くするような市場で戦いきることが一つの確からしい方向に思える。

別の確からしい方向を予想すると、巨大市場ではなく微細市場、というより固有性の強い市場という方向が考えられる。

あ、書いていて、いつの間にか趣旨を忘れてしまった。

欧州の話だ。

金融政策がどうあれ、構造改革の必要性は変わらないと考えているので、構造改革について監視の目の役割が必要に思う。他国からすれば意見を述べるだけしか出来ないという制約に思えるが、一体としての政策という立場で欧州が監視すればよいのではないだろうか。報告では緩いと思う。

それを抜きに金融緩和を進めると、問題を先送りするだけに思える。だから、国債購入とかの手段に着手するなら、より強力な監視体制を条件にしてもよいと思うのだ。

というように考えているのは、もしかしたらドイツべったりの考え方だろうか。別にその意識はないが、金融政策の目詰まりは日本も欧州も似たようなものという感覚はある。だから、目詰まり問題という立場という意識はある。

市場参加者は、あまり深く考えていないという印象はある。だから、市場の動きで理解出来ないことも沢山ある。というより、市場の動きがおかしいと思うことはある。市場がおかしいのか、市場が正解で理解がおかしいのか、どちらの見方も必要という立場だ。その立場こそおかしいかもしれないが、しょうがない。