不胎化

緩和量からすれば効果を期待することに無理があることは承知しても、オペレーションは必要だと思う。

目詰まりで考えるのだが、企業の資金需要を本筋としても、個人を考えることにも意味があると思う。

現在、利息への税の控除は事業と住宅の所定分だけと認識している。違っているかもしれない。これを広げることと同時に税率を上げて中立的にすることだけで、資金需要は伸びると思う。ただし、かなりの劇的変化が予想されるから、最初は試行的規模が望ましいだろう。

資金需要が伸びることだけを評価するなら、これだけでよいのだが、消費や住宅が増えることも考えられる。ただし、現在の金融政策を前提にするなら、バブル懸念の観点で住宅についてはマクロ制約が必要だろう。

その他の資産高騰も考えられるので、劇薬に思える。書いて、少し後悔している。

住宅については、現在の主流は個人自身が借りて、住宅は担保に過ぎない。だから、住宅が安くなっても個人の返済は変わらず、所得に対する保守的な傾向があると思われる。住宅の価格を評価する環境が整備されていないからと考えている。

中古市場が厚ければ、実際に売り出さなくても信頼出来る価格が形成されるだろう。その為にも、以前触れたような住宅自体の履歴書みたいなもの、点検記録や修繕記録のデータベースが必要になるだろう。

これを自分の資産と考えると資産について、それなりに熱意を持つことが考えられる。例えば、住環境も評価されるとすると、街並みや学校も悪評となることを避けたいとする気持ちになることが考えられる。反社会的な人間の居住や近所の犯罪といったものへの関心も高まるだろう。

ここで整理しよう。単なる個人住宅という観点と地域の価値という無形資産という観点では、関心の赴く範囲が異なることが考えられる。地域の一員という意識を持たなくても済んで住んでいたが、自身の資産に直結すると認識すると地域一体の価値向上に関心が向くことが予想されるだろう。

これが本来の自然な姿のように思える。地域に無関心でいられることを積極的に望むならば、地域一体の価値向上という取り組みに反対するか、地域一体の価値向上に無関心な地域への居住という選択になるだろう。地域一体の価値向上に取り組みたい人たちが多ければ、それだけその地域の価値向上が期待出来るだろう。そして、そこにただ乗りの観点がある。

これを従来の構図で考えると、地域を考える主体が自身以外の誰かで、自治体とか国に不平を言っていれば、それで済んでいた構図に居心地のよさを感じる適切行動を選択するという見方が成り立つだろう。

その構図ではなく、上の提示は、地域の価値を左右するのは自分たちという意識が前提にある。細かな形式ではなく、構図の認識が異なるということだ。そして、その認識こそ、本来の姿なのではないだろうか。

結果の姿として上の構図を主張している話は、よく聞くから、やはり受けいれられることだと思う。ただ、それまでの道筋が見えにくかっただけではないだろうか。

地域の無形資産という評価を住宅の価格で捉えるなら、数値という直結したものだから自然に熱意を持つのではないだろうか。

もしかしたら、中古住宅市場という狭い意味ではなく、もっと広い意味で必要な環境整備なのではないだろうか。勿論、短期間に整備することは困難だろう。しかし、直球ど真ん中勝負の政策なのではないだろうか。

現在、地方創生が取り組まれている。短期間で成果を上げることを政治は望んでいるかもしれないが、短期間の成果は短期間で効果を失う可能性が高いと考えている立場なので、長期的持続的な取り組みを環境として提供することがよいと考えている。

それが、以前にも触れたが、無形なものと抽象的に述べた。それ自体は今でも変わらないが、参加意欲までは想定していなかった。やはり、参加意欲まで想定して成果が期待出来ると思う。

例えば、小学校を評価する時に、学校全体の試験成績みたいなものだけを取り上げることが一つ考えられるが、それだけではないという見方として、活躍中の有名人の出身小学校というものもあると思うのだ。

世界的に超有名な元柔道選手の小学校時代を語る話に、その小学校のよさを感じたが、現在の当時の同級生との会話で、それを確信するのだ。

これをもって小学校の評価を定義するつもりはない。あくまでも、評価には色々あるという例を提示しただけだ。そして、児童を持たない家庭でも小学校に関心が向くのも、地域の価値という実感があるからだろう。そこに成績以外の余地を見いだすなら、世の中の勉強の一つを提供する欲求も自然に生まれてくるのではないだろうか。

今度は、かなり横道にそれた。

金融の目詰まりの話だった。

個人の資金需要を増やす観点だが、資産の流動性や消費増も考えたいとしての話だった。それに追加して、資産の自己資本としての資金化は、米国の真似かもしれない。でも、その基盤整備は色々と役に立ちそうだ。遡及されない融資は魅力があると思うのだ。特に、零細企業の社長には需要があると思う。