再増税賛成

熊本の件は邪推だったようだ。

しかし、牛尾さんに自由な意見を褒められた議員がいるくらい懐の深い自民党のはずだから、そんな意見を聞きたいと思った。

さて、再増税について整理しよう。

記憶を辿ると、首相に増税反対の意見を述べたのは、参与二人とノーベル賞受賞者だ。それが全てではないが、かなり強く影響していることは理解出来る。

増税賛成の立場としては、日銀総裁IMF専務理事が代表的だろう。G20の場での発言は重い。

昨日の速報値以外にも、経済状況を判断する指標は沢山ある。成長率はその一つでしかないだろう。例えば、失業率か景気判断の指標というより、経済政策の対象のようなものだろう。

そして、来月には改定値が出てくる。

また、明日日銀総裁の会見がある。

つまり、先延ばし決定は、日銀総裁の会見を無視し、来月の改定値も待たずに解散に踏み切ることを意味する。

昨日の速報値は、読み方は、色々ある。

予想以上に悪化していることは、民間予想でマイナス値がなかったことで事実と言えるだろう。

速報値と改定値で違いが大きい項目で大きな予想の違いがあると考えると、改定値を待つ必要性はあるだろう。また、その項目は四半期での変動幅が大きく、かつ、よいマイナス値とも評価出来るとも考えられる。

要するに、読み方は色々あるのだ。よい方向にも、悪い方向にも読めるのだ。どちらか一方に偏るものではない。

そして、現状で失業率が悪いという話は聞いていないから、その意味での経済状況が悪いという評価にはなりにくく、速報値だけで経済状況を語っているようなものと言えるだろう。

先延ばしと緩和策の出口戦略の整合性の見通しがなければ、乱暴な先延ばしかもしれない。何かの根拠となる説明を待たなければ、確かな判断は出来ないが、整合性での観点も重要だ。

これらから、再増税は予定通り行うことが適切で、今夜先延ばしを決めるのは、別の重要な点がなければ安易な決断と考える。

だから、先延ばしに反対することには大義名分がある。

解散は一般的には、与党が有利だ。野党は、理不尽な解散に一致して戦うことが、国民に対する真摯な態度だろう。

明日の日銀総裁の会見を無視するほどの緊迫した状況があるのかもしれない。あれば、それが与党の大義名分になるだろうが、なければ理解出来ない状況と言えると思う。

日銀総裁の会見では市場を意識するから、出口戦略に触れる可能性が低いが、仮に先延ばしが予定外ということであれば、日銀に対する約束不履行のようなものだろう。これは大きいが、市場に配慮して大きな声では言えない。

しかし、G20でのIMF専務理事の発言は、政治的利用を大いにすべきだろう。これも、野党が戦う立派な理由を説明している。

失業率その他の経済指標で、来年増税予定時期の悪い状況を予想出来るものがあるのだろうか。

5→8
の増え方と
8→10
の増え方では、どちらが大きいのだろうか。

それより重要なことは、三本目の矢は二年間で出ているのだろうか。確かに外交の成功は認めるが、元首相二人の手柄ではないだろうか。これは推測でしかないので確かではない。

このような、野党に有利な状況を利用しないことがむしろ不思議だ。

蛇足:
解散は、隠密活動が自然で、陽動には意味があるはずだ。その違いすら気づかないなら、説明してくれる人の説明を聞くべきだろう。ここでは既に触れている。

数学的説明と道徳的説明を、ここで説明する人間の評価を無視出来る説明と無視出来にくい説明としよう。数学とか道徳とかの言葉自体に意味はない。

例えば、数学の偉い学者でも計算の間違いは間違いで、小学生でも正解は正解だ。貧乏な人の金儲けの話や太った人のダイエット法には、なかなか信用がしにくいだろう。

他人の説明を数学的説明として聞くトレーニングを積んでいると、陽動の説明が素直に理解出来るだろうが、トレーニングを積んでないと、上の違いすら気づかないだろうし、他人の説明も思い込みで別の解釈をしてしまうだろう。

しばらくぶりに蛇足を使ってしまった。