国債

今のところ、順調に消化されている。ほとんどが国内で消化されているから、不安視する見方は少ないが、保証されている訳ではない。

もし、消費税増税が中止されたら、という仮定の話では、懸念を主張する声は良く聞く。これだけの発行量ならば、懸念を否定する考えに無理がある。

現在の金利と、将来予想から、社債発行も増えているようだ。使途が国内に向かうならば、緩和策の効果とも言える。これはこれで歓迎することだろう。

現時点で国債に不安がある訳ではない。しかし、安心できる保証はどこからももらえてはいない。金利については、低いようだが、CDSについてはプレミアムが感じられるようだ。このことは冷静に受けとめるべきだろう。

政府支出の経済効果に期待する向きがあるようだが、増税時期の一時的な支出はあっても、いわゆる経済対策としての支出は控えるべきだろう。

税金と政府支出の関係は、貨幣の回転率の観点で、効率が悪いと考えている。この観点で効率の悪さを主張する声が聞けないのが残念だ。民間ならば、その間に何回転もするだろう。

国債を中心に考えると、政府の収支の観点と、発行の観点、金融市場の観点、と色々ある。だから、話があちこち飛び回ることになる。どこかだけが重要と単純にはできない。

政府支出ならば、社会保障。発行ならば、金融市場の状況。金融市場ならば、銀行融資量。それらは、最低限、触れるべきことと考える。つまり、関連する範囲が広く、個人としては当然知識も偏在する。金利一つだけでも、影響は大きい。

多分、消化よりも出口が問題になると思う。結局、緩和策も融資量が増える訳ではないから、期待された効果がなく、出口の副作用だけになりそうな気配に感じる。

あちこち、脈略ない話に終始したが、テールリスクがない保証はない。また、出口付近の影響はあると強く予想される。だから、その観点で注意したい。