概念の発達

概念の単独での新規は困難と考えるのは、どの経路においてもなんらかの他の概念の関与を排除できることが想像出来ないからだ。だが、発達段階としての初期は単独の概念としか考えにくい。つまり、関連概念の広がりと関連の強化が発達と考えられるからだ。具体例で想像してみよう。初期段階として、単に言葉「桜」が他の概念と独立して存在する。次に「花」の一種として周辺の概念と関連していく。次に、様々な物語の主要な位置付けの記憶として親しんでいく。というように、発達が想像できる。では、逆に発達が停止することを想像してみよう。具体例を「タンポポ」として「花」の一種で停止するとしたら、発達しないのは無関心であろうことと同時に発達の機会が失われていると想像できる。このことと人間の知能の補正である行動の決定との合わせ技で、初対面の人間への無関心は単なる印象を評価としてしまう危険を指し示しているといえそうだ。考えるに、疑問なり関心を持つ習慣は、その対象はともかく、概念の発達に効果的と想像できる。仕事の遂行上やむを得ず概念の発達の停止という制約を受けるなら、概念発達停止の習慣化を回避することを意識的に努力する価値はあるだろう。