米国FRB議長候補

元財務長官の辞退で、もう一人の有力候補にすんなり決まるかと思いきや、なんだか、ぐずぐずしている。

色々な観測記事がある。中でも、納得できるのは、複数との協調作業より独断的行動にホワイトハウスが懸念しているというもの。比較として、前財務長官の仕事ぶりを紹介していた。

中銀の取り組みは、過去の経験がない場合もある。これは、急を要する事態もあれば、上げ下げ両方の経済指標が同時に示されているような状況もあるし、国内事情よりも国際事情が切迫している事態もある。

もう一つの要請される文脈は、市場からの理解が容易であることで、ルール化が一つの流れではある。つまり、重要経済指標に基づき、行動を予め路線化しておくというものだ。

どちらの見方も、理由に説得力があると思う。平常時を重視するのか、異常事態を懸念するのか、みたいな比較が出来そうだ。

なんとなく、同型を感じる。首相や社長に求めるものと同型なものという意味だ。

それは、航空機のベテランパイロットが、着陸時に注意を特定せず、目の前の全てが注意の対象というような趣旨の話をしていたことと似ている。予断で注意を特定すれば、想定外情報を簡単に見逃してしまうことを言外に込めていると解釈した。

つまり、想定が保証された業務と解釈するか、想定外事態も含めて委任すると解釈するか、その違いみたいなものだ。前者ならば、想定外事態の想定が前提になるような気がする。

これらが明確なのが、実戦経験のある軍事的組織と思う。前線に送り出す時点の想定がないことは考えにくい。想定は、予告なく覆る。その、想定外事態で、通常は後方と連絡をとり、行動を変えたりする。その、想定と行動と判断に、経験の積み重ねが、実戦経験では必然的に求められる。

部下に、仕事を依頼する時の想定は、どこまでかは類似しているから、理解されやすい。つまり、容易に想定外事態に対処できない状況を考えれば、一旦委託した仕事を結果待ちで時間を過ごすことしか出来ないことと比喩する。

一方で、その枠組み自体の想定がどこか違和感を感じるとする見方もある。これは、変革の動機と考えられる。これはこれで、飛躍的進化が期待出来る。ただし、変革する者は、誰かに特定されたものではない。権限も義務も特定されてはいない。多分、更地で考えることのように思う。

一度戻ろう。本格的な考えとしては、中銀含めて金融当局の限界を認識して、金融政策のルール化は市場機能を効率化すると考えている。しかし、残念ながら現状への確かな対案を示すことが出来ない。従って、想定外事態を含めて委託せざるを得ないと考える。

ということは、対案が必要ということだ。実は、答えは出ている。バベルの塔は建てられない。逃げている訳ではない。試みることが必要と考える。多分、それが現実解だと思う。